3/18/2007

木の話 その3

DIYerにとって必要なレベルの木についての知識は、
右側のお勧め書の中の本「木がわかる」を読むことである程度は身に付くものと思います。

 

間伐材の輸送中のエピソード

 切り出しておいた檜の間伐材を山から運び出そうとワゴン車で山まで採りに行きました。
 枝打ちはしておいた(一部は葉枯らしのために枝葉をつけたままにしておいた)
のですが、更に車に乗る長さに切断する為チェーンソーを持って行きました。
 当日は寒波が襲来していて地面を見ると霜柱が15センチもあり、切り倒していた間伐材も手で触れただけでこちらの手まで凍ってしまいそうなほどの冷たさでした。
 ようやくワゴンの後部にぎっしり詰め込めるだけ詰め込んで帰途に着きました。
 ところが、汗をかいた作業の後でシャツを着替えたので震えが来て車の暖房を入れました。
 でも暖房はいっこうに効かないのです。
 確かに猛烈な勢いで熱いくらいの熱風が吹き出しているのですが後ろの方から冷たい風が吹いてくるのです。
 しばらくしてからようやく原因が分かりました。
 寒さの正体は霜柱並みに冷却された木材そのものだったのです。
 冷蔵庫に氷を入れた状態と同じ状況だった訳です。
 結局40分間の道中、冷蔵庫に入った状態で帰宅した次第です。

 

木の話 その2

 今回の改装工事ではコスト削減を第一にしたために、1本298円の2x4材(1830ミリ長)を購入して使いました。
 まだ生木で水分もかなり含んでいました。
 あまり気にしなかったのですが、やはり一部心材もあり、板目材もありで後で反りやねじれに悩まされることになりました。
 テーブルの脚には自分の山から檜の間伐材を切り出してほぼ数ヶ月間自然乾燥させたものを丸太のまま使いました。
 しかしこれもやはり乾燥は不十分で背割りをしないとひび割れが生じてしまいました。
 木口(こぐち)面というのは年輪が見える断面で木口面に垂直に年輪の中心を通る面で板取(いたどり)するときれいな正目(まさめ)板が採れます。
 これ以外は丸太のままで板取すればほとんど板目になります。
 板目の場合は乾燥が進むにつれて年輪の外側の方がより水分を含んでいるので収縮度も大きくその分縮みます。従って木の外側が反りあがります。


 

木の話 その1

 普段何気なく接しているものほど、そして便利に使っているものほど、意外にもその本質を理解していない事はよくあります。
 中でも木は住まいに最もたくさん使われているのに、大工さんや建築資材の専門家以外、木のことをあまり知らないのではないでしょうか? 
 学生時代に学んだ植物学では、維管束がどれで篩管と導管がどれ、という具合に試験に必要な知識としての静的な視点での形態学止まりで面白くも何ともないものでした。
 実生活での利用に必要な知識といっても専門職の人たちが知っていれば事が済む知識、例えば伐採の時期、木取りの仕方、乾燥法など木を使う人なら誰でも最も興味を抱くはずの事は教えてもらえなかったのですから無理もありません。
 しかし、木材はパルプ原料として紙に姿を変えるだけでなく、テンセルやレーヨンといった再生繊維としても私たちの生活を豊かにしてくれています。
 化学工場での処理などは専門家に任せておくしかないでしょうが、木材の姿のままで家具や家の部材として使う場合には木の特性をある程度知っておく必要があります。
 木のことをよく知らずに生木のままで加工してできあがってすぐは立派に出来たと思っていても、時が経つにつれて反りや歪みが生じていろいろと支障を来すことになります。
 最近では乾燥技術もずいぶんと進歩し、圧縮乾燥によって杉や檜のような柔らかい針葉樹さえ、広葉樹並の堅牢性と加工特性を持つようになりました。(これまでは家具に使われるまでにはたとえ広葉樹でも普通5年以上は自然乾燥が必要だった)
 戦後植林された杉林が五十年から六十年を経過し伐採にも適当な大きさに成長しており、また杉花粉症などの社会問題もあって杉林の伐採はこれからどんどん進めていく必要がありますから圧縮乾燥技術は渡りに舟という事になると思います。

 
 

3/12/2007

材料に材木を使う理由

 これは単純明快、加工がとてもしやすいという点に尽きます。
 SPFの2x4規格品などはそのままでも表面の加工は不要なくらいきれいなので尚更使いやすいと言えます。
 構造材としては鉄、ステンレスなど木材以外にも強度と仕上がりの美しさそしてデザイン適応力を持ったものもたくさんあるかも知れません。
 しかし木材ほど加工は容易ではありません。
 しかも再利用のし易さを考えるとほとんど潰しがきかない点も問題です。
 セメントのようなコンクリート材料も壊すときにすべて廃棄対象になります。
 
 コンクリート製の建物にしても壊す段階での手間と費用は木造の建物の比ではありません。
 壊したいけど壊す費用が高すぎて当面そのままにして置くしかない、という事例は数多くあります。
 

 

3/11/2007

高級感を演出する要素

 店舗作りの際にいかに高級に見せるかという点は重要です。
しかし、意外にも金をかけずにそれを実現するのはそれ程難しくはありません。
 自分自ら材料の選別を手がけるようになればすぐに気づく事があります。

 それは店舗の級感の演出には
光線と照明使い方が極めて重要だという事です。
 ガラスそして照明器具の使い方で、全体の雰囲気が大きく変化するということです。
 ここでも費用をかける必要はありません。
 古い店舗で使用していたショーウインドウから切り出したガラスは、テーブルの天板に流用すれば強度もあり十二分に高級感を作り出せるし、鏡に木枠をはめれば壁に立てかけるタイプの大きな姿見になります。
 これら光に反応する什器は全体の中で使い方一つで大きな存在感を持ちます。
 照明器具もベースの照明は蛍光灯の組み立てタイプのものに自分で結線すればただみたいな費用ですみます。
 どうしても色温度の高い照明が必要なときにはハロゲンLEDのようなランプ用のソケットを買い求めて反射板なども自作すれば大いに安上がりで済みます。

低コストというのは再生も低コストという事



 ものを作るという事はいつかそれを壊すときが来るということも意味します。
エコロジカルにも再生時のコストは重要です。
 たとえ作る時に安い材料を使っても、壊すときの費用が法外なものになるなら、それはコストを下げたとは言えません。
 費用の面だけでなく自然界の摂理を考えれば、環境に出来るだけ負担をかけない優しい物作りに努めなければ今後の我々の未来はありませんしそうすることが結果的にローコストに繋がります。
 材料は出来るだけ再利用し、再利用するにもエネルギーやコストをかけずにつまり簡単に再利用出来ることが理想です。
 再利用を考えれば当然、無駄を出来るだけ少なくする必要に気付きます。
 そしてシンプルにしかしゴージャスに作るにはどうすれば良いかが分かって来ます。