4/07/2007

最も難しいのは骨組みの作り込み

 壁面や天井にあまり傷をつけずに棚板用の枠組みや棚柱用の土台を組み付けていくのは意外にも難しい。
 借家の場合は現状に復旧したうえで返却しなければならないので、壁面などにあまり釘跡などが残らないようにする必要がある。
 極端な話、釘もネジも一切使わずに壁面工事が出来ればいい。その為に既存の壁を全面的に覆う形で新たな壁面を設置する工法を採用すると意外にも収まりが良い。新たな壁面の高さは什器の高さに応じて統一的に設定する。
 まず元々存在する壁の中の支柱の在処を壁下センサーなどの助けも借りながら確認した上で外枠の組み付け場所を決めていく。
 出来るだけコースローなどのねじ込み箇所も少なくてしっかりと固定するには枠そのものの構造に自立性を持たせる工夫をしなければならない。
 これにはL字型に90度の支え部分を組み付ける。
この支え部分は陳列棚を兼用する什器仕立てにしておけば見栄えも使い勝手も非常に良くなる。
 このあたりが自ら施工する強み利点とも言えるのでデザインに凝るならばイメージを一番取り入れやすい部分になる。

4/04/2007

家作りもできそうな位のレベルで

店舗の外枠まで含む改造改装を出来るようになれば勿論言うことはありません。
 しかし、生命の安全に関わる領域に踏み込むのは素人のレベルでは控えるべきであるのは言うまでもない事です。
 店舗改装というのは構造体としてのきちんとした枠組みの建物があって初めて安心して取り組めるものであることは弁えておいて欲しい。
 建築基準法に定められている安全基準について、姉歯事件のようにプロとしての認識が出来ていない業者も多いのだから、きちんとした自己責任の上で行動するならば素人でも良いのではないだろうか、と考える向きもあるかも知れませんがやはり領分というものがあります。
 あくまでも、構造力学的にもきちんとした計算に基づく安全な建物の枠組みの中に、自分の思いや心に感じる事を踏まえて感性豊かなお店の改装を施すことが目的なのですから。
 
 

3/18/2007

木の話 その3

DIYerにとって必要なレベルの木についての知識は、
右側のお勧め書の中の本「木がわかる」を読むことである程度は身に付くものと思います。

 

間伐材の輸送中のエピソード

 切り出しておいた檜の間伐材を山から運び出そうとワゴン車で山まで採りに行きました。
 枝打ちはしておいた(一部は葉枯らしのために枝葉をつけたままにしておいた)
のですが、更に車に乗る長さに切断する為チェーンソーを持って行きました。
 当日は寒波が襲来していて地面を見ると霜柱が15センチもあり、切り倒していた間伐材も手で触れただけでこちらの手まで凍ってしまいそうなほどの冷たさでした。
 ようやくワゴンの後部にぎっしり詰め込めるだけ詰め込んで帰途に着きました。
 ところが、汗をかいた作業の後でシャツを着替えたので震えが来て車の暖房を入れました。
 でも暖房はいっこうに効かないのです。
 確かに猛烈な勢いで熱いくらいの熱風が吹き出しているのですが後ろの方から冷たい風が吹いてくるのです。
 しばらくしてからようやく原因が分かりました。
 寒さの正体は霜柱並みに冷却された木材そのものだったのです。
 冷蔵庫に氷を入れた状態と同じ状況だった訳です。
 結局40分間の道中、冷蔵庫に入った状態で帰宅した次第です。

 

木の話 その2

 今回の改装工事ではコスト削減を第一にしたために、1本298円の2x4材(1830ミリ長)を購入して使いました。
 まだ生木で水分もかなり含んでいました。
 あまり気にしなかったのですが、やはり一部心材もあり、板目材もありで後で反りやねじれに悩まされることになりました。
 テーブルの脚には自分の山から檜の間伐材を切り出してほぼ数ヶ月間自然乾燥させたものを丸太のまま使いました。
 しかしこれもやはり乾燥は不十分で背割りをしないとひび割れが生じてしまいました。
 木口(こぐち)面というのは年輪が見える断面で木口面に垂直に年輪の中心を通る面で板取(いたどり)するときれいな正目(まさめ)板が採れます。
 これ以外は丸太のままで板取すればほとんど板目になります。
 板目の場合は乾燥が進むにつれて年輪の外側の方がより水分を含んでいるので収縮度も大きくその分縮みます。従って木の外側が反りあがります。


 

木の話 その1

 普段何気なく接しているものほど、そして便利に使っているものほど、意外にもその本質を理解していない事はよくあります。
 中でも木は住まいに最もたくさん使われているのに、大工さんや建築資材の専門家以外、木のことをあまり知らないのではないでしょうか? 
 学生時代に学んだ植物学では、維管束がどれで篩管と導管がどれ、という具合に試験に必要な知識としての静的な視点での形態学止まりで面白くも何ともないものでした。
 実生活での利用に必要な知識といっても専門職の人たちが知っていれば事が済む知識、例えば伐採の時期、木取りの仕方、乾燥法など木を使う人なら誰でも最も興味を抱くはずの事は教えてもらえなかったのですから無理もありません。
 しかし、木材はパルプ原料として紙に姿を変えるだけでなく、テンセルやレーヨンといった再生繊維としても私たちの生活を豊かにしてくれています。
 化学工場での処理などは専門家に任せておくしかないでしょうが、木材の姿のままで家具や家の部材として使う場合には木の特性をある程度知っておく必要があります。
 木のことをよく知らずに生木のままで加工してできあがってすぐは立派に出来たと思っていても、時が経つにつれて反りや歪みが生じていろいろと支障を来すことになります。
 最近では乾燥技術もずいぶんと進歩し、圧縮乾燥によって杉や檜のような柔らかい針葉樹さえ、広葉樹並の堅牢性と加工特性を持つようになりました。(これまでは家具に使われるまでにはたとえ広葉樹でも普通5年以上は自然乾燥が必要だった)
 戦後植林された杉林が五十年から六十年を経過し伐採にも適当な大きさに成長しており、また杉花粉症などの社会問題もあって杉林の伐採はこれからどんどん進めていく必要がありますから圧縮乾燥技術は渡りに舟という事になると思います。

 
 

3/12/2007

材料に材木を使う理由

 これは単純明快、加工がとてもしやすいという点に尽きます。
 SPFの2x4規格品などはそのままでも表面の加工は不要なくらいきれいなので尚更使いやすいと言えます。
 構造材としては鉄、ステンレスなど木材以外にも強度と仕上がりの美しさそしてデザイン適応力を持ったものもたくさんあるかも知れません。
 しかし木材ほど加工は容易ではありません。
 しかも再利用のし易さを考えるとほとんど潰しがきかない点も問題です。
 セメントのようなコンクリート材料も壊すときにすべて廃棄対象になります。
 
 コンクリート製の建物にしても壊す段階での手間と費用は木造の建物の比ではありません。
 壊したいけど壊す費用が高すぎて当面そのままにして置くしかない、という事例は数多くあります。
 

 

3/11/2007

高級感を演出する要素

 店舗作りの際にいかに高級に見せるかという点は重要です。
しかし、意外にも金をかけずにそれを実現するのはそれ程難しくはありません。
 自分自ら材料の選別を手がけるようになればすぐに気づく事があります。

 それは店舗の級感の演出には
光線と照明使い方が極めて重要だという事です。
 ガラスそして照明器具の使い方で、全体の雰囲気が大きく変化するということです。
 ここでも費用をかける必要はありません。
 古い店舗で使用していたショーウインドウから切り出したガラスは、テーブルの天板に流用すれば強度もあり十二分に高級感を作り出せるし、鏡に木枠をはめれば壁に立てかけるタイプの大きな姿見になります。
 これら光に反応する什器は全体の中で使い方一つで大きな存在感を持ちます。
 照明器具もベースの照明は蛍光灯の組み立てタイプのものに自分で結線すればただみたいな費用ですみます。
 どうしても色温度の高い照明が必要なときにはハロゲンLEDのようなランプ用のソケットを買い求めて反射板なども自作すれば大いに安上がりで済みます。

低コストというのは再生も低コストという事



 ものを作るという事はいつかそれを壊すときが来るということも意味します。
エコロジカルにも再生時のコストは重要です。
 たとえ作る時に安い材料を使っても、壊すときの費用が法外なものになるなら、それはコストを下げたとは言えません。
 費用の面だけでなく自然界の摂理を考えれば、環境に出来るだけ負担をかけない優しい物作りに努めなければ今後の我々の未来はありませんしそうすることが結果的にローコストに繋がります。
 材料は出来るだけ再利用し、再利用するにもエネルギーやコストをかけずにつまり簡単に再利用出来ることが理想です。
 再利用を考えれば当然、無駄を出来るだけ少なくする必要に気付きます。
 そしてシンプルにしかしゴージャスに作るにはどうすれば良いかが分かって来ます。

 

2/28/2007

準備その4 電動工具

 電動工具のうち店舗の造作で最も付加価値を作り出す道具がルーターです。
 日本では一般的にまだまだ使いこなしている人は少ないのですが、発祥の地のアメリカでは男の子の誕生日のプレゼントとして最も人気の高い物だそうです。
 ルーターとルーターテーブルがあれば日本の指物大工さんや家具職人さんが作るような木工製品が素人でも作れてしまうのは知る人ぞ知るところです。
 ただし使いこなすまでには少し時間がかかると思います。
 昨年からマニア向けの雑誌doopa(ドゥーパ)の付録で使い方を実演して見せるDVDが付録として付けられるようになりましたし、インターネットで電動工具のメーカーサイトを検索すれば各工具の使い方を動画で紹介しているところも出てきましたので予め見ておかれれば良いと思います。
 ほかにもいろいろありますが工事の各工程で御紹介していきます。
 それと作業台はワークベンチが2台あれば便利です。(一台¥1500~¥1980ホームセンターで)
 トリトンのスーパージョーズなどもあれば非常に便利ですし労力の節減になりますが少し高価です。
 

準備その3 電動工具

 お店の広さから材料をある程度見積もり終わったら、加工に必要な道具を揃えます。
 ここでは加工全てを自前でやる事を前提にして話を進めます。
 材木を基本材料にしますのでまずノコギリが必要です。
2x4材は杉や檜のように柔らかすぎず比較的堅いので構造材として使える木材です。
しかも適度に柔らかく加工しやすい材料です。
 広葉樹のように金属を切るに等しい程の堅さや切断の困難さはありません。
 基本的に長さを調整するための切断だけですむように什器や店舗の寸法を設計しておけばのこぎりでの切断作業を大幅に減らすことができます。
 通常電動丸のこで充分ですが大量に切断する場合は丸のこ盤スライド丸のこがあると便利です。
 次に必要なのが電動ドライバードリルです。組み立て段階ではこれなしでは仕事になりません。
 最近はドリルビットとドライバービットを兼用できるものがほとんどなので12ボルト以上のバッテリー電圧のものがあればまず大丈夫です。
 照明器具をつなぐ電気の配線用に使う道具は普通の家庭にある物で間に合います。
 ガラスを切り出す場合は電動のガラスカッター(5ミリ以上は普通のガラス切りでは切れない)が必要ですが通常はガラス屋さんで必要な寸法に切り出してもらった方が無難でしょう。(かなりのコツが必要なため)
 
 

 
 

 

準備その2 イメージ・設計・材料

まずどのようなイメージの店舗を作るのかを決めます。
ここではエレガントファッションを取り扱うブティックを前提にします。
カジュアルショップでも生活雑貨の店でも基本は同じです。
 違いは什器に使う金属の種類やカラー、パネルの素材くらいです。
 現在白い壁面を持ったお店が主流ですがこれは時とともに変わりますのですぐに対応できる作りにしておきます。
 素材はできるだけ安いもので、仕上がりにあまり支障がないと思えるものを用います。
 写真の店舗では構造部分には全て2x4のSPF材を使いました。(市価¥298位)
また、陳列テーブル収納兼用陳列棚のフレームも全て2x4材です。
一見金属に見えるのはシルバーの光沢ありの塗料の吹き付け塗装による効果です。
 陳列を兼ねたプレゼン用の大きなガラステーブルは、古いお店のショーウインドウから切り出した物ですが、通常ガラス屋さんで5.5ミリ程度の強化ガラスを求めることになります。(数千円)
 商品を陳列するためのガラス棚受けハンガーパイプを横に渡すためのアームの部品などは専門のパーツ屋さんで買い求めておきます。
 通常はカタログ価格の半値で手に入ります。(プロが使うロイヤル社製品がお勧めです。)
 それでは具体的に工事に入っていきますが、店舗となる工事現場での作業時間をできるだけ少なくするために、予め作っておける什器はバックヤードで作っておくか平行して作製します。


 

準備その1 どんな店舗を作るのか?

一口に店舗を手作りすると言っても、その程度には様々なレベルがあると思います。
 単にオリジナル性の高い什器類を目的に合わせていくつか内製する程度から、
 店舗の器としての建物以外全てを一から作るものまで、かけられる費用と時間と相談しながら進めていく事になると思います。
 ここでは建物の内部の壁と天井がとりあえず見苦しくない状況のもの(通常の貸店舗を想定)に、什器を兼ねた壁面、それに基本的に必要な什器のいくつかを作製していきます。
 ご紹介している店舗の写真はほぼすべてを一から手作りした物です。

 一見してこれが全てずぶの素人の工事でできたものとは思えない程度には仕上がっていると思います。
 あら探しすればいくらでもプロのレベルに到達していない部分が見つかると思いますが、発注者イコール施工者なのですから誰にも文句を言われる事もありません。
 強いて言えばお客様が不満に感じられないレベルに仕上がっていればオーケーと言えると思います。

2/26/2007

なせばなる。思えば願いは必ず叶う。

 何事も自分の実現したい事をイメージすることから始めましょう。
頭の中で初めに想像できないことは決して実現することはありません。
 期待・願望があればそれが実現したときの様子をまずは頭に思い描くこと。
 願望が強ければ強いほどイメージも強烈に描けるはずです。
 次に、その実現に必要なものを準備する。
そして実現に向けて具体的な計画をたてます。
 詳細なステップ毎に必要な時間を予定として割り当てていきます。
 あとは体と頭をフル稼働させるのみです。

ミラン手作り店舗






ミラン手作り店舗






ミラン手作り店舗






手作り店舗その3


























手作り改装店内


































2/07/2007

NO.003 手作り店舗その2


写真左
支店の改装開始
床に2x4材を敷き詰める前の塗装中





写真下
改装後

NO.002 手作り店舗

写真左:本店2階
物置倉庫を改造
床は1本¥198のワンバイフォー材(1x4)



写真下:本店1階東側
間仕切りスクリーンなどは古いお店の
ショーウインドウを加工したもの

1/17/2007

ショップコンセプトを表現できる超低コスト店舗の実現!!

 店舗を造作する場合そのお店のコンセプトあるいはイメージはある程度経営者の好みや得意分野によって決まると思います。
 また取り扱うブランドが個性的ならそのブランドコンセプトに合わせた雰囲気に作るのは勿論です。
 しかし無制限に費用がかけられる訳ではありません。
経営的に見てもコストというのは限りなくゼロに近づけて行く努力が必要です。
 ここでご紹介するノウハウは、この2年間で3店舗を作った実体験に基づくものです。
 このうち最後に作ったお店は約18坪の広さですが、出費合計が僅か30万円とただみたいな費用でできています。
 勿論、材料や照明器具などの機材で古い店のものを一部流用はしましたが、たとえそれら全てを新規に購入したとしても40万円程度で収まったはずです。
 つまり自分の労力を惜しまなければ10分の一の費用でそれなりのお店が作れることを実証したわけです。
 今まで専門業者に丸投げで数百万の改装費用を当然のごとく何度となく支払ってきた事を改めて振り返ってみて、これは公開する価値があると思った次第です。
 

1/15/2007

NO.001 はじめまして


 これからブティック/婦人服店経営に関しておよそ30年間にわたる経験を元に反省を交えながらあれこれと考察と総括をしていきたいと思います。
 これから経営を始めようとしている方、現在すでに店舗を経営している方のどちらにも少しは役に立つことがあれば幸です。
 グローバル経済化の流れの中、大企業を除き最近の経営環境の悪さはどの小売り業界でも同じようなものだと思います。
 地方都市では人口が減少しており、郊外型の大型ショッピングセンターの出店攻勢に晒された商店街の小売店は軒並み閉店を余儀なくされているのが現状です。
 こんな中でも何とか経営を維持していく方法は無いものかと皆さんお考えの事と思います。
 趣味道楽でお店をされている方はともかく経営を続けるには採算がとれなくてはなりません。
 店舗に対する初期投資、家賃、人件費、光熱費他諸々のコストをいかに低く抑えるか、如何にしてお客様に来店してもらうか、如何に業務を効率化するかなど書いていきたいと思います。